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「高尾山全植物」山田隆彦(著)

高尾山に生育する植物の数はなんとイギリス全土に生育する植物と同じほどあるのです。その数はなんと1500種。高尾山にこれだけ植物が多いのは戦国時代、江戸時代を通じてその自然が保護されてきたことにも関係があります。また薬王院には殺生禁断の碑が建てられていることから生き物を殺さずに守ってきたことがうかがえます。そのおかげか高尾は昆虫の種類も5000種と非常に多いのです。

 

この高尾山全植物はそんな自然豊かな高尾の森の植物を木や草花、そしてシダまで網羅している一冊となっています。また植物は「科」ごとに分類されています。科の特徴が冒頭にまとめられていますので、それをもとに調べることもできます。自然観察ガイドのページには高尾山のルートごとに見られる植物が載っています。ハイキングの際に持っていけば、本を片手に一日中植物観察ができそうです。

 

観察についてはあまり近づき過ぎて、下草を踏み荒らさないようにとの注意もありました。長い時間をかけて守られてきた高尾の森の植物がこれから先もずっと見られるように植物と人との良い距離を保っていきたいですね。