三井本館の立派な建物が見えます。着工は大正時代。きちんとお金をかけて修復や改修してあるのでとてもキレイです。こういう柱が目立つ建物はローマ建築を採用しています。柱の頭の装飾が派手派手なのはコリント式と言われます。銀座界隈はアンテナショップが多いので買い物だけして帰ろうかという誘惑に駆られました。
老舗の甘味処竹むらです。粟ぜんざいや揚げまんじゅうが有名です。というのも、池波正太郎がたびたび訪れたお店でもあるからです。
"竹むらの名代〔揚げまんじゅう〕をおみやげに包んでもらう。このおみやげを殊勝に家族のもとへ持ってかえるかというと、そうではないのだ。これからあとに、われらの真の目的があるわけで、揚げまんじゅうは白粉の匂いのする生きものの口に入ってしまうのである。"
「散歩のとき何か食べたくなって」より
さてさて中山道を進むと有名な神田明神がありますが、今回はその隣にある湯島聖堂を訪れました。ここは学問のご利益があると言われているところです。孔子廟(こうしびょう)と言って孔子様を祀る場所なのです。
建物の屋根に何かいますね。日本橋でも見た麒麟が飾られているのです。境内には立派な櫂(かい)の木があります。中国の孔子墓所にも同じ木があり、それを真似てここにも植えられているのです。
そして珍しいものをもうひとつ。湯島聖堂の前門である入徳門の木鼻です。長い鼻をしている動物がいます。中国の聖獣の貘か象ですね。貘は象がモデルになってることもあり、その見分けは難しいのです。
東京大学の赤門前です。徳川家斉の娘、溶姫が加賀藩に嫁入りした記念に建てられました。徳川家からお嫁をもらった大名はこの朱塗りの門と御守殿を建てなければならず、参勤交代の費用もかさむ中、大変だったろうなと思います。
その足で赤門ちかくの樋口一葉にゆかりのある場所を訪れました。一葉の桜木の宿の碑がある場所に法真寺があり境内に一葉桜が咲いていました。八重咲きの桜でとても存在感があります。
横道にあった本郷カフェに立ち寄りました。こぢんまりとした店内はテーブルが三つ。自家製のコーヒーゼリーを頂きました。酸味が強めのコーヒーでつくられていてクリームとよくあいます。甘さ控えめなので甘党の方はガムシロップをかけてもよいかも。
このあたりから雨がぽつぽつ振り出したのでお散歩を切り上げることにしました。
せっかく文京区まで歩きましたのでパイ専門店のマミーズアンスリールのアップルパイを買って帰ることにしました。りんごのコンポートは甘さ控えめで美味しいです。全体的に優しくなぜか懐かしい味。小さなお子様も好きそうです。ちなみにシナモンとラムが効いた大人のアップルパイもあるようですよ。
流石に江戸時代を感じさせる建物はもうありませんでしたが、昭和の古き良き面影はまだまだ存在しています。逆ルートを歩いて銀座のアンテナショップでお買い物をして帰るのも良いかなと思います。東京大学付近には孔子を祀る湯島聖堂、菅原道真を祀る湯島天神がありますが、双方ともに学業の神さまであります。このあたりはまさに学びの聖地ともいえる場所ですね。
それでは、またお会いしましょう!
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