北アルプス後立山連峰と呼ばれる山域の唐松岳と白馬岳。その間には上級者のみが歩ける鎖と岩場が連続する不帰の嶮(かえらずのけん)が控えています。ちょっとハードな北アルプスの山旅を音声配信でお楽しみください。
登山コースの概要
登山レベル | ★★★★★★ |
コース |
1日目 八方池山荘-八方尾根-唐松山荘 2日目 唐松山荘-不帰ノ嶮-白馬鑓ヶ岳-白馬頂上山荘 3日目 白馬頂上山荘-猿倉 |
コースタイム |
1日目 4時間 2日目 8時間10分 3日目 3時間20分 |
距離 |
1日目 4.4km 2日目 9.3km 3日目 5.7km |
往路アクセス | JR大糸線白馬駅から八方アルペンラインで八方池山荘へ |
復路アクセス | 猿倉から白馬駅までアルピコ交通バス |
今回のコースは山と高原地図で難路となっている破線ルートを含みますので、登山レベルを★6つとしています。
音声配信で聴く山旅
下のリンクからstandFMの配信内容をお聞きいただけます。
※音がでますのでご注意ください。
2021年7月25~27日の登山道の状況がわかります。
北アルプス唐松岳から白馬岳の山旅
北アルプス不帰の嶮を音声配信ガイド
山フォトでみる唐松岳・不帰ノ嶮・白馬鑓ヶ岳
音声配信で伝えきれない部分を写真とともにご紹介します。
唐松岳の周辺
八方アルペンラインの途中、鎌池湿原にはニッコウキスゲが多く咲きます。
八方池には多くの観光客が訪れます。雲が取れると池の向こうに白馬三山を見ることが出来ます。
登山者の靴底で磨かれた蛇紋岩(じゃもんがん)です。表面に白い筋があり蛇の皮の模様に似ていることから名前が付けられました。滑りやすい石です。
唐松山荘の前から見る唐松岳2695.9m。テント場は山荘の下にあります。
ファイントラックのツェルト1が今夜の宿です。ガイラインは居住空間を広くするために取り付けてみました。
ひと1人がようやく寝転べるサイズです。ザックは足の下に敷いています。テントより狭く230gと軽いのが魅力。しかし、夏場は夜露でビシャビシャになるデメリットもあります。
モルゲンロートの五竜岳。
浮かぶ月とモルゲンロートの劒岳。
不帰ノ嶮の周辺
唐松岳から不帰ノ嶮2峰南峰まではストックを出して歩ける道です。
不帰の瞼2峰北峰からは鎖と岩の連続です。すこしも気が抜けません。
不帰ノ瞼を越えて天狗の大下りをザレ場を登っていくと上部にも鎖場がいくつか出てきます。ここを抜け切るまでが勝負です。
白馬鑓ヶ岳・杓子岳・白馬岳の周辺
天狗の頭付近はいろいろな色の岩や岩屑(がんせつ)があって面白いところ。先行者は長野県警の方です。
天狗の頭を過ぎれば天狗山荘が見えてきます。このあたりにはコマクサの小規模な群生地があります。
天狗山荘の水場です。雪渓から流れ出ている水を使います。おなかの弱い人は煮沸が必要かな。
ウルップソウという高山植物です。本州ではこのあたりか八ヶ岳の硫黄岳付近にしかありません。珍しい植物なんです。
目の前に鈍色(にびいろ)の白馬鑓ヶ岳が迫ります。足元の地質と白馬鑓ヶ岳の地質は違っています。この山域はいろんな表情の山がある場所なのです。
ふり返ってみる杓子岳です。雪渓のカタチで一つ目のモンスターが大きな口を開けているように見えています。
ガスってきていまいちですが、頂上山荘の近くはお花畑が広がっています。赤いシュロソウが目立っていました。
白馬頂上宿舎のコロナ対策の様子。2人ずつ透明なシートで仕切られています。使い捨ての枕カバー付き。シュラフカバーを持っていくと安心かな。使い捨てシーツは1000円で販売されています。消毒液は洗面所と談話室、食堂に設置されていました。部屋にはありません。
名物のバイキングは健在でした!コロナ禍ということもあり、まず手の消毒。そしてビニール手袋を着用の上、トングで好きなおかずを取っていきます。手前の謎のきんぴらがとても美味しい。真ん中はご当地漬物の小谷漬けです。このほかにスイーツなどもあります。
雨がパラつく中、猿倉へ下山します。上部の小雪渓はだいぶ溶けておりますが傾斜がきついので注意です。
下部の大雪渓です。石はすべて落石です。小さな落石はいつでも起きているという場所なので素早く下山するポイントとなります。
白馬駅の周辺
猿倉を10:30に出発するアルピコ交通バスに乗り、八方バスターミナルで下車。徒歩1分もかからない場所に八方の湯があります。通常は12時営業ですが、7/17~10/10まで10時から営業しています。(2021年現在)
白馬街道を歩いて駅までの途中でグリルこうやに立ち寄りました。おすすめメニューの焼きカレーはあつあつで美味しいですよ。ランチタイムにはサラダが付きます。
雨が降りしきっておりますが、snowpeak LAND STATION HAKUBAへ行きました。キャンプ道具の販売とsnowpeakのカフェとスターバックスが入っています。中にシャワーがあり宿泊者専用とありました。泊まることできるスポットのようです。
街道沿いにはnorthfaceやPatagonia、好日山荘の店舗もあって立ち寄るところには不自由しません。
新宿行きのあずさ46号を待つ間、駅前の藤屋食堂に立ち寄ります。2Fのお店で晴れていると店内から五竜岳や白馬三山が見えるのですが雲は切れませんでした。残念です。
メニュー表には赤いチェリーが乗っていましたが実物にはなし。Tシャツに米粒をつけたおばあちゃんがサーブしてくれて都会にはない緩めの感じに何だかほっこりします。
乗車時間まであと15分あるぞ、ということで駅前の足湯も使わせて頂きました。時間があると駅前の散策をやりたい放題です。
まとめ
唐松岳から白馬岳の間は不帰ノ嶮という難所を挟みます。初心者は唐松岳ピストンにするのがオススメです。八方尾根は高山植物が多く初夏の時期はチングルマ、ユキワリソウ、タカネウツボグサ、イワシモツケ、クガイソウなどなど多種多様なお花達に出会うことができますよ。
それでは、またどこかの山でお会いしましょう。
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