アキアカネが飛び始め、秋の気配が漂いはじめる9月下旬、丹沢の南にある日向薬師では彼岸花のシーズンを迎えます。彼岸花の鑑賞とあわせて大山のバリエーションコースを歩いてきました。
コースの案内
登山レベル | ★★★★★ |
コース | 日向薬師‐梅ノ木尾根‐大山‐イタツミ尾根‐ヤビツ峠 |
コースタイム |
5時間(目安) |
距離 |
8.5km |
往路アクセス | 小田急伊勢原駅からバスで日向薬師バス停 |
復路アクセス | ヤビツ峠バス停から小田急秦野駅 |
参考地図 | 山と高原地図29丹沢(昭文社) |
伊勢原駅から出発です。コンコースを抜けたところにある「伊勢原駅観光案内所」には彼岸花マップが置かれています。マップをもらって北口3番乗り場から日向薬師へ向かうバスに乗ります。バスは1時間に3本ほど出ていますよ。
20分ほどで終点の日向薬師に到着します。バス停の近くの畦道が彼岸花で彩られていました。ちょっとシーズンを過ぎてしまって終わりかけのようです。最近オープンした白ヤギ珈琲焙煎所がありますが営業は10時からでした。
薬師如来を祀る日向薬師。見どころは茅葺きの本堂です。こちらは日本三薬師として有名です。他の二つ薬師様は愛知県の峯薬師、高知県の柴折薬師となります。奈良時代、致死率20%とも言われる天然痘が大流行し、聖武天皇の名により病気の治癒を目的として全国に薬師堂が建立されたのです。
寺院参拝をした後は本堂左手から登山道入口へ移動します。屋根付きの休憩所、そして最終お手洗いがあります。その先は駐車場となっていて登山道の入口がありますよ。大山方面ではなく「日向山登山道」へ向かいます。
登りはじめて10分ほどで鞍部に到着します。ここで登山道が日向山、弁天の森キャンプ場、発願寺奥の院と三方向へ分岐しています。「発願寺奥の院」方面の尾根を辿ります。地形図を確かめていたらニョロリ。あ、山ビルが出ました。丹沢は暖かい時期にヒルがでるのです。ピンと指先で弾き飛ばしてから梅ノ木尾根を辿ります。
踏み跡の濃い尾根道です。この辺りまではハイキングコースで人がよく入っていることが伺えます。最初の鞍部からピークを3つ越えると発願寺奥の院の分かれ道となります。朽ちかけたベンチがあります。発願寺奥の院方面には明瞭な踏み跡のトラバースが伸びています。大山へ向かうには踏み跡がやや薄い西側の尾根を登ります。
梅ノ木尾根はこのあたりから道が分かりづらくなります。一般のハイキングコースではなくバリエーションとなる為です。この先から道の状況を少し詳しく書きます。(先読みで距離を測るため、GPSと合わせて地形図が欲しいところです。)
まず尾根を外さないで歩くことがポイントとなります。奥の院分岐からコンパスのスケールで次のピークまでの距離を測ります。400m先がピークですが、尾根の方向が北と南西に分岐します。北方向の尾根に行きたいので400mの距離を意識しながら尾根を辿ります。
尾根が分岐するピークには誰かが残した「大山」の道標がありました。手製の道標は信頼性が高いですが、抜けて差し直され別の方角を向いていたりすることもあるので手放しで信頼せず地図を整置、コンパスで方角を割り出し、合っていることを確認して進みます。
次の目標地点は500m先の「大沢分岐」尾根の合流地点です。なだらかなピークを通り急な登りとなります。
目標地点にはこれまた手製の道標が残されていました。「大沢分岐」とあります。一般登山道までは残り900mほどです。尾根は西方向にまっすぐ伸びています。途中に778mの明瞭なピークがあります。
大沢分岐からヤセ気味の尾根となります。尾根を跨ぐように木があるので尾根を左右に巻きながら歩く場所も出てきます。山慣れしている登山者なら何ともないコースですが初心者だと怖い道かと思います。何となく踏み跡があるので辿っていきます。
778mのピーク。このコース最大の道間違えポイントに遭遇します。尾根上の木を避けるため南側の踏み跡を辿った後に出くわす踏み跡がはっきりとある歩きやすそうな尾根。「水源林管理用経路」の案内板がありますが、ここを降りては行けません。こちらの尾根は南側に伸びていて日向キャンプ場まで降りていくコースです。ピークから降るとき特に尾根を間違いやすいです。注意が必要なポイントとなります。
西側に進路を取り500mで一般登山道との合流地点です。最初はなだらかな降り、登り始めると傾斜が急になり、ザレで踏み跡が荒れてる場所もありました。降りで使いたくない感じの尾根です。コンパスで傾斜を測ると20度以上ありました。
急登が200m続いて、不動尻と大山を繋ぐ一般登山道に接続しました。一般登山者が入らないように木で塞いでありますね。道の細かな説明はここで終了です。この先は登山道も道標がしっかり整備されています。
300mほど緩い尾根を歩くとベンチが一つあります。東側には東京方面の景色が窺え休憩するにはちょうど良い場所です。このベンチでカップヌードルを食べることが多いので勝手にラーメンベンチと呼んでいます。この日は梨を食べました。風が穏やかに吹いていて秋を感じます。
989mのピークあたりにはススキが穂をなびかせていました。秋ですね。トンボもあちらこちらで飛んでいます。さて、ここから登りの傾斜がキツくなるので踏ん張りどころ、日向薬師から歩き始めて3時間半ほど経っています。時間に余裕があるのでのんびりと歩きます。
大山山頂に到着です。高曇りしているので街の風景は見えていました。ベンチも多いので山ごはんをつくって楽しんでいる登山者の姿もちらほら。山頂には売店とトイレもあります。
大山登山は表参道と見晴台を経由する雷ノ峰を使うのが一般的です。今回はヤビツ峠まで降りるイタツミ尾根へ下山します。イタツミ尾根はヤビツ峠まで1時間ほどで降りられるコースですがバスの本数が少ない為か使う人が少ないです。
イタツミ尾根は明るい雰囲気のある登山道です。相模湾の風景を楽しみながら歩くことが出来るのがポイント高し。急な場所もありますが表参道よりもずっと歩きやすい道です。
バスが来るまでヤビツ峠レストハウスで一休憩。ソフトクリームやビールがあります。ロールケーキは秦野産のジャムがかかっています。レストハウスを使わない場合は上にベンチが沢山ありますのでそこでお茶でも淹れて休むと良いかと思います。
秦野駅で「TANZAWABIYORI-丹沢日和-」さんに立ち寄ります。丹沢で取れた鹿肉を使ったホットドックや地元のお茶を使った地ビールが楽しめます。2023年3月31日までの期間限定オープンです。地ビールは苦味とコクがあり美味しいです。喉越しを楽しむより味わないながら飲む感じです。
まとめ
丹沢方面はメジャーなコースは山ビルはほとんど出ません。今回はバリエーションコースを歩いたため3匹ほど遭遇しました。冬になるとそういったコースにも山ビルは出なくなります。またヤビツ峠のバスは1時間に1本しかありませんが、林道を1時間ほど歩くと蓑毛へ降りられバスの本数も多くなります。
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